連載「ClaudeとChatGPTを連携させる」第1回
ClaudeとChatGPTを連携させる 第1回: まず「得意分野で使い分ける」地図を作る
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僕はClaudeとChatGPTを両方課金して使っている。もったいないと言われそうだけど、結論から言うと、この2つは「どっちが優秀か」で片方を選ぶものじゃなくて、作業の種類で割り振るものだ。うまく割り振ると、片方だけのときより明らかに仕事が速くなる。この連載では、最終的にClaudeを監督、ChatGPT側のモデルを実装担当にして、1つの作業を2つのAIにリレーさせる体制まで組み上げる。第1回の今日はその手前、そもそもどの作業をどっちに投げるかという「使い分けの地図」を作る。
先に連載全体の狙いを言っておく。この連携、組んでしまえば実際の作業はAIが丸ごとやってくれる。読者が全部を手でやり続ける話じゃない。だから押さえてほしいのは、細かい設定の丸暗記じゃなくて、どういう考え方で役割を分けて、AIに何を指示すればいいかという基本の型だ。3回を通してそこを伝えたいと思う。
結論 ClaudeとChatGPTを連携させる連載の第1回。「どっちが優秀か」ではなく、得意分野で使い分ける地図を作る。割り振りの基準は「入力と出力の形」。
「どっちが優秀か」は問いとして筋が悪い
新しいモデルが出るたびに「ClaudeとGPT、結局どっちがすごいのか」という比較記事が出る。僕も昔は読み込んでいたんだけど、両方を毎日使うようになってやめた。理由は単純で、ベンチマークの優劣は数ヶ月で入れ替わるのに、それぞれの「性格」というか得意の方向性は、モデルが更新されてもわりと変わらないからだ。
だから優劣を追いかけるんじゃなくて、性格の違いで作業を割り振る。こっちの方針は一度決めれば長持ちする。モデルが更新されたら地図を微修正すればいいだけで、乗り換え騒ぎに巻き込まれない。
僕の使い分け地図
先に地図の全体を出す。毎日使った上での、現時点の僕の割り振りはこうだ。
| やること | 投げる先 |
|---|---|
| 長い資料・論文を読ませて要約/質問 | Claude |
| 文章の構成を考える・レポートの骨組み | Claude |
| 文章を書く・直す | Claude |
| 細かい指示どおりに作業させる | Claude |
| カレンダーやメール等の外部ツール連携 | Claude(コネクタ/MCP) |
| 画像を作る | ChatGPT |
| 声で話しながら考えを整理する | ChatGPT(音声モード) |
| 用途別のカスタムAIを持っておく | ChatGPT(GPTs) |
| 資料を溜めてテーマ別に会話する | ChatGPT(Projects) |
| コードを書く | Codex経由のGPT-5.6 “Sol” |
Claude側に寄っているのは、長い文脈の読み込みと、設計・構成・文章まわりだ。授業スライドを何十ページかまとめて放り込んで「この範囲の要点と、試験に出そうな箇所」と聞くような使い方は、Claudeが一番安心して任せられると思う。指示への忠実さも高くて、「この形式で、この順で、これは書くな」みたいな細かい注文をちゃんと守ってくれる。あとコネクタやMCPで外部のツールに繋げるので、カレンダーを見て予定を答えるとか、チャットの外の実作業に手が届くのも大きい。
ChatGPT側の強みは、テキスト以外への広がりだ。画像生成は普通に強いし、音声モードで歩きながら喋って考えを整理するのはChatGPTにしかできない使い方だと思う。GPTsで用途別のカスタムAIを作って置いておけるのと、Projectsで資料とスレッドをテーマごとに束ねられるのも地味に効く。科目ごとにProjectを切って資料を放り込んでおけば、「この科目のことはこの部屋で聞く」という置き場ができる。毎回ゼロから前提を説明しなくていいのは、積み重ねる使い方をするほど効いてくる。
そしてコード。ここが今の僕の運用で一番はっきりしている部分で、コードを書くスピードはCodex CLI経由で動くGPT-5.6 “Sol” が速い。同じ実装をClaudeに書かせるより、Solに投げた方が早く形になることが多い。だからコーディングは基本Sol行きだ。ただし「何をどう作るか」の設計の話は、上の表のとおりClaudeとやる。この分担が第2回の伏線になる。
CodexだのCLIだの、聞き慣れない単語が出てきても身構えなくて大丈夫。コードを書くのは全部AI側で、僕がやっているのは行き先を決めることだけだ。
割り振りの基準は「入力と出力の形」
表を丸暗記する必要はなくて、判断基準は1つに畳める。その作業の「入力と出力の形」を見る、だ。
- 入力が長文(論文、スライド、長い議事録)→ Claude
- 出力が構成・設計・文章 → Claude
- 出力の正しさを詰めたい(証明の検討、論理チェック)→ Claude
- 入力か出力に画像・音声が絡む → ChatGPT
- 手軽に短く聞きたいだけ → ChatGPT
- 出力がコード → Sol
迷ったら「これから投げるものは何で、返ってきてほしいものは何か」を考える。長いテキストが絡むならClaude、絵や声ならChatGPT、コードならSol。これだけで9割は正しい窓口に着く。
「タスクの内容」じゃなくて「形」で決めるのがポイントだ。内容で決めようとすると「数学はどっち? 歴史はどっち?」みたいに分岐が無限に増えて、地図が覚えられなくなる。形で決めれば分岐は3つで済む。実際、僕が窓口を選ぶのにかかる時間はゼロに近い。投げるファイルと欲しい成果物を思い浮かべた瞬間に行き先が決まっている。
窓口を間違えるとどうなるか
逆に、間違った窓口に投げたときの「うまくいかなさ」も書いておく。地図の必要性はここで実感した。
まず、画像や音声はそもそもClaudeの窓口に無い。喋りながら考えたい、図が欲しい、となった時点でChatGPT行きは確定で、迷う余地がない。ここは分かりやすい。
厄介なのは、どっちでも一応できる作業だ。たとえばコードはClaudeも普通に書ける。書けるんだけど、同じ量の実装を任せたときの体感の速さがSolと違う。「できるかどうか」で見ると両方できるから差に気づかなくて、「速さと質」で見て初めて割り振る意味が出る。長文の読み込みも同じで、手軽なチャット窓に長い資料を突っ込むと、返ってくる要約が表面をなでただけの薄いものになりがちだった。資料の枚数が増えるほどこの差は開く。
つまり、間違った窓口に投げても大失敗はしない。ただ、じわじわ損をする。1回あたり数分の差でも、毎日やる作業なら積もる。使い分けの地図は、この「じわじわ」を消すためのものだ。
学生の場面でいうと
学生の具体的な場面に落とすとこうなる。
-
レポートの構成を組む、参考論文を読ませて要点を掴む → Claude。特に英語論文をPDFごと読ませて日本語で質問できるのは、それだけで課金の元が取れる
-
発表スライドに入れる図解やイメージ素材 → ChatGPT。「この概念をこういう構図の図に」と言葉で注文して画像にしてもらう
-
実験のデータ処理スクリプト、プログラミング課題の足場 → Sol。書くのが速いし、エラーを貼れば直してくる
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試験前に授業資料をまとめて読ませて、要点の整理と想定問題を作らせる → Claude。入力が「スライドの山」という長文なので、基準どおりClaude行きになる
証明や計算の検討を手伝わせるならClaudeに寄せているけど、どっちに投げるにしても検算は自分でやる前提だ。数式の計算はAIが一番堂々と間違える領域で、もっともらしい導出の途中に平気で符号ミスが混ざる。AIの答えをそのまま信じて提出するのは、割り振り以前の問題としてやめた方がいい。
あと課題のコードをSolに書かせる話は、レポートや授業の提出物には当てはめないでほしい。自分の理解のためにやる課題は自分の手で書かないと意味がないので、僕もそこは自分で書いている。Solに投げるのは、提出物じゃない自分用のツールとか、実験データの処理みたいな「手段としてのコード」だ。
一応書いておくと、これは僕の使い方であって、片方だけで十分足りる人も多いと思う。月2つ分の課金がしんどいなら、自分の作業の「入力と出力の形」が一番よく通る方を1つ選べばいい。
次回から
地図はできた。ここからが連載の本題で、第2回はこの使い分けを一歩進めて、Claudeを監督、Solを実装担当にするリレー体制を組む。設計とレビューはClaudeが持ち、コードを書く手だけSolに委譲する。1つの作業の中で2つのAIが分業する形だ。第3回はそのリレーを実際の作業でどう回すか、うまく回すためのコツと失敗パターンをやる。使い分けが「どっちに聞くか」の話だとすれば、連携は「両方に同じ仕事をさせる」話になる。ここからが面白いところだ!
リレーとか監督とか言うと大掛かりに聞こえるかもしれないけど、冒頭に書いた通り、組んだあとに手を動かすのはAIの方だ。僕らが持っておくのは役割の分け方という考え方だけでいい。それは次回でちゃんと示す。
よくある質問
ClaudeとChatGPTはどっちが優秀?
優劣より使い分け。長文の読み書きや丁寧さはClaude、画像生成など全部入りはChatGPT、のように得意分野で振り分けるのが実用的。
AIツールを使い分ける基準は?
「入力と出力の形」で考えると分かりやすい。長文を渡す/長文を作る、コードを書かせる、画像を作る、など作業の形で窓口を決める。
複数のAIを併用する意味はある?
ある。1つに全部やらせるより、得意な作業をそれぞれに振った方が結果がいい。無料枠だけでも併用できる。